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【院長の雑記帳5】健康に不安のない時、相談してほしい病気

セミの季節も過ぎてきましたが、今年はセミの鳴き声が少なかった様に感じます。今年の空梅雨の影響かもしれませんし、セミは地中生活が長いので、数年にわたる気候の影響なのかなと思ったりもします。
セミは数年間、樹液を頼りに地中で生活して、地上に出ることはありません。寿命の最後の数週間を地上に出てきて、飛びまわり、相手をみつけ、子孫を残して寿命を終える。寿命の大部分を日の当たらない世界で過ごし、日の当たる世界に出てきて、短い寿命を終える。人間世界にも、こんな人がいるのではないかと考える事があります。

実は、病気も表に出てこない時代が長く(漢方の世界では、未病と言うのでしょうか。間違っていたらごめんなさい。)、症状に出てきたら、かなりまずい状態になっている。成人病はこの経過をたどります。突然出てくるわけではありません。10年、20年、30年という期間、無症状で進行します。気がついたら、一方通行の道路に出ていて、後戻りできなくなっている。

例えば生活習慣病。
①糖尿病。血糖の高い時期が続き、やがて腎機能の低下を指摘され、ゆっくりですが進行し、透析生活に近づいてゆく。眼底が変化していて、見えなくなってゆく。神経障害が起こり、感覚が低下し、雲の上を歩くような感覚になり、あるいは、痛みやしびれを日常的に感じるようになってくる。動脈硬化が進み、手足の色が悪くなり、進行すると、血流が届かなくなり、最も進行した状態では壊疽で切断となる。心臓に血流が行かなくなると、狭心症。完全に詰まると心筋梗塞となり、命にかかわる。脳の血管が詰まると、麻痺となり、範囲が大きいと寝たきり生活になる。

②高血圧も長期続くと、心臓に負担が続き、心臓が変化してゆき、心不全となり、動くと苦しくなるようになる。腎臓の動脈が変化してゆき、腎不全に繋がってゆく。脳の動脈は硬くなり、脳出血の原因となり、また、動脈硬化も起こり、脳梗塞や認知症の原因となる。

③高脂血症も動脈硬化を通じ、心筋梗塞や脳梗塞、高血圧と相まって大動脈瘤の原因となる。
しかも、この3つは生活習慣と繋がった病気なので、2つ3つかけ持っているひともいる。

これらの病気は高齢者の病気ではなく、働き盛りから始まっているのですが、症状がないのでわからない。症状が出たころには、かなり進んでいる。60歳で症状が出たとすると、40歳から、もしかしたら30歳から始まっているかもしれないのです。成人病は高齢者の病気ではなく、働き盛りの病気なのです。成人病の症状はその終着点でもあるのです。

アルツハイマー型認知症も実は、働き盛りから始まっている可能性がでてきています。アルツハイマー病は、アミロイドβという物質が、少しづつ脳に蓄積してゆき、20年ほど溜まったあげく急に発症するようです。これに対しては、原因究明中で、現在、対応策がありませんが、マイナス要因は推測されています。

成人病ほどゆっくりしたものでは有りませんが、癌も一般には、急に発症するものではないのです。多くの癌は小さいうち(mm単位)は極めてゆっくりとしか大きくならず、ある程度の大きさになると、急速に大きくなります。おそらく、年単位を必要とする。要はmm単位で見つけられるかということです。だから、1年に1回の検査が有効なのです。

成人病とは、働き盛りの無症状なうちに定期チェックで発見、将来、症状につながらないように予防対応を始め、退職後の自分の時間を自分の好きなことに使えるよう、子供の世話にならなくてもよい様、健康に自信のある年齢で相談してほしい病気なのです。