皆さんは人間ドックを受けたことがありますか? 病気の早期発見という点では大切ですが、「再度受診してください」「専門医を受診してください」「主治医に相談してください」などという報告が多いと感じたことはありませんか?
私は10年位前に、困ったことを経験しました。厚生労働省が老人ホームに出した通達で、「年に1回(2回?1回の所が多いが)、検診を受ける機会を作る事が望ましい」と言われています。
そこで老人ホーム側は検診の会社に依頼し、希望者に受診させたところ、「異常値」の指摘がたくさん記載され、「主治医に相談」だらけになり、家族に届きました。主治医からすると、高齢者では異常と言えない数値や、本人にとっては以前から変わらない血液データの数値が大部分でした。検診や人間ドックというのは、病気の可能性の拾い上げが目的であり、正常値は厳しめになっており、ましてや働き盛りをターゲットにした正常値ですから、高齢者には異常値ばかりになるのは当然です。この事を家族に説明すると、「なぜそんな検査をしたのか」とおしかりを受けました。
人間ドックは正常値をもとにした判定で、それに一言二言、医師が付け加えるという形が普通です。判定医師の方も、「このくらいは問題ないかな」と思っても、病気が見つかって責任を追及されるより、「受診してください」「主治医と相談して下さい」の方が、手間的にも、責任的にも楽です。
私は「こういう症状の時は受診して下さい」「こういう事に気を付けて、○ヶ月後に再検してください」「この程度なら心配ない所見と思います」「今すぐ何か起こるわけではないのですが、5年後、10年後に影響してきますので、減量して定期的な健康診断は受けてください」など具体的な指示を出すようにしています。そしてドックを繰り返し受けてもらえれば、前回との比較ができるため、より的を射る形となり、不必要で心配をかけないコメントになってゆくと思っています。