院長の雑記帳

【院長の雑記帳】概ね検査の勧め

1)種類的概ね

統計上は、一生涯に、半分近くの人が癌にかかります。残念ながら、なって当たり前の病気かもしれません。癌になりたいと思っている人はいないでしょう。しかし、早期発見なら、残りの人生をこれまで通り生きられます。ただ、全ての癌を検査しようとするのは、大変です。症状があってからけんさでは?という話も出ますが、症状が出るころには進行していることが多いのです。統計によっても違いますが、一生のうちに癌にかかる確率は50%前後です(国立癌研究センター、2020年データでは男性62%、女性49%)。

私なら、無症状の人の場合も、まずは、 男性なら胃癌、大腸癌、肺癌、前立腺癌
女性なら胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌 に絞って検査をお勧めします。いずれも、検査で早期発見ができ、これだけで、癌全体の60%以上になるからです。
頻度の少ない癌、早期のうちに見つかりにくい癌、は後回しにして、まず4つ。

2)時間的概ね

毎年検査を受けるのも、おっくうになりがちです。完璧を求めなければ、私の経験上は、前年に何もなかった人なら、二年に1回、胃内視鏡、大腸内視鏡、胸部CT(単純レントゲン検査では弱い)かMRI、前立腺は、PSA(血液検査)と超音波検査、乳癌は超音波検査とマンモグラフィーで、概ね早期に発見できます。いずれも苦痛の少ない検査です。胃の内視鏡などは、嘔吐反射の強い人は、鎮静剤を使ってもらうと、ボーッとしている間に終わります。

私も、二年に1回、胃内視鏡、大腸内視鏡、胸部CTをやるつもりでいても、時々、3年に1回になります。受ける日を奇数年の誕生日月としておくと、良いかもしれません。(毎年できれば、それに越したことはありませんが。)

100%を目指そうとすると、億劫になりがちで、結局、検査が続かない。
種類、時間を「概ね」とした方が続く気がします。

2025年3月31日
山本病院院長 内科 山本雅宏